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皆さん、おはようございます。
今回はちょうど10~11月に小さな赤い実をつける山茱萸(さんしゅゆ)について取り上げてみましょう。
山茱萸はミズキ科の落葉低木で、花が咲く時期は春で、葉っぱが出そろう前に枝の先に小さな黄金色の花が20~30集まって咲くことから春黄金花(はるこがねばな)とも呼ばれています。
実はこの山茱萸は漢方の世界でも用いられています。
使用するところは実の部分で、種を取り除いた果肉は酸味の有る味わいで、生薬名を山茱萸、別名を山萸肉(さんゆにく)、萸肉(ゆにく)と呼びます。
漢方では五臓六腑で云う「肝」「腎」系の働きを補い、足腰の痛みやめまい、夜の元気をつけるなどの強壮の働きや、トイレ(小便)が近い場合やおねしょ(夜尿)などの治療に用います。
また汗かきの方や寝汗の改善目的でも用いられます。
飲み方は、ハーブティーのようにお湯出し、
梅酒のようにホワイトリカーに漬けて「山茱萸酒(さんしゅゆしゅ)」なる薬酒としても楽しむことができ、
より専門的には複数の生薬と組み合わせて漢方薬として用いる方法を挙げられます。
では山茱萸酒、薬酒の作り方をご紹介しましょう。
梅酒を作る時と同じイメージで、乾燥させた山茱萸の実約200gにホワイトリカー1.8ℓ、出来れば2~3ヶ月以上漬け込む。
好みによって氷砂糖を加えて漬け込んで下さい。
御猪口(おちょこ)1杯位の量をお湯割りや水に割って、ご飯の前や夜お休み前にどうぞ。
またより専門的に複数の生薬を組み合わせて漢方薬として用いる方法として次のようなお悩みのある方に使用します。
加齢による足腰の痛みや、
歩いていても直ぐに腰かけたくなる人(足腰の粘りが無くなってくるイメージ)、
トイレが近い、
夜間トイレに何度も起きる、
若い頃と比べて尿の出る勢いが弱くなった、
排尿困難、むくみ、耳鳴り、難聴など、
中年以降の男性女性問わず当てはまりそうな内容です。
この場合に用いる漢方薬が六味地黄丸(ろくみじおうがん)です。
今回紹介の山茱萸の他に、山芋・長芋の山薬(さんやく)、ボタンの根っこの牡丹皮(ぼたんぴ)、サルノコシカケ科の茯苓(ブクリョウ)、ゴマノハグサ科の地黄(じおう)など6種類の生薬の組み合わせで作られています。
この漢方薬を中心に複数漢方薬が作られています。4つご紹介しましょう。
1つ目はセリ科の柴胡と鉱物生薬の磁石(じせき)を加えた耳鳴りに用いる耳鳴丸(ジメイガン)=ジメイ丸に。
2つ目はクコの実の枸杞子(クコシ)と薬用の菊の花である菊花(きっか)を加えて、かすみ目、疲れ目、視力低下に用いる杞菊妙見丸(こぎくみょうけんがん)に。
3つ目は温める働きのシナモンで有名な桂皮(けいひ)とキンポウゲ科の炮附子(ほうぶし)を加えた八味地黄丸(はちみじおうがん)
4つ目は八味地黄丸に更にオオバコの種である車前子(しゃぜんし)とヒユ科の牛膝(ごしつ)を加えて、より腰の痛み、太ももや膝から下などの足の痛み、むくみの頑固な方に用いる牛膝腎気丸(ごしゃじんきがん)に、組み合わせて用いていきます。
漢方の世界では、一つずつの生薬の役割だけで考えるのではなく、相性の良い組み合わせをすることで、
1+1=2ではなく4にも5にもなり相乗効果を期待できます。
阪本漢方堂の八味地黄丸の紹介は京都新聞や読売新聞にも掲載されます。また気が付かれた方はご覧くださいませ。
今朝は今の季節に小さな赤い実をつける山茱萸(さんしゅゆ)について取り上げましたが、
皆さんの周りに、耳鳴りの方、かすみ目、疲れ目、視力低下の方、足腰の痛み、むくみが気になる方がいらっしゃいましたら、阪本漢方堂を是非教えてあげて下さいね。
阪本漢方堂
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