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皆さん、おはようございます。京都・四条新京極入り口の阪本漢方堂です。
今年の干支「亥」から。漢字では「亥」と書きますが、動物では猪。
皆さんは猪を食べたことはございますか?
数年前に私は、ぼたん鍋を食べました。
馬(さくら肉)は信州や熊本に行った時に食べていますし、羊は北海道で、山羊は一度だけ沖縄で食べました。それに続いたのが猪です。
猪鍋をぼたん鍋と呼ぶのは、猪の肉を薄く切り、牡丹の花のように盛り付けてあるからとのこと。
食べたのは白菜・白ネギ・エノキ・椎茸など野菜たっぷり入った味噌仕立てでした。
想像していたのとは違い、臭みは無く体が温まり一緒に鍋を囲んだ友人たちも、「この味ならまた食べたい!」と一致する味わいでした。
漢方では猪を用いた生薬はあるのでしょうか?
今朝は「干支にちなんで猪と漢方」について取り上げてみましょう。
イノシシ科の猪を飼いならしたのが豚なのです。
生薬名に猪とあるものでも豚由来が多いのです。
具体的に挙げてみますと、猪の胆と書いて猪胆(ちょたん)と呼ばれるもの、これは豚の胆嚢を用います。
ちなみに豚の皮膚を猪皮(チョヒ)、胃を猪吐(チョト)、大腸を猪腸(チョチョウ)と呼びます。
しかし現在の日本の漢方の販売ルートでは見かけません。
流通しているのは、豚脂(とんし)いわゆる豚の脂肪のことで、別名を猪脂(ちょし)、猪脂膏(ちょしこう)と呼ばれています。
漢方薬の塗り薬も幾種類かあります。
何度かラジオでご紹介致しました、まむしの脂が配合された「赤まむし膏」や、紫の花の根を用いた「紫雲膏(しうんこう)」、あとミカン科のキハダ・黄柏(おうばく)とウコンが配合された中黄膏(ちゅおうこう)などがあります。
軟膏には薬効成分の他に、皮膚にその有効成分をとどめて聞いてくれるように基材と呼ばれる成分を混ぜて作ります。
例えば赤まむし膏の場合にはワセリンやサラシミツロウですし、本日紹介の猪脂いわゆる豚脂もその仲間になります。
具体的には紫雲膏と中黄膏に使用されています.
紫雲膏には先に紹介したムラサキの根の紫根(しこん)の他に、
セリ科の当帰、
ミツロウ、
ごま油、そして
豚脂が配合されています。
見た目も赤色でごま油の香りがする軟膏です。
中学生の頃、飯盒炊爨(はんごうすいさん)とよく言ってましたが、ボーイスカウトの活動で野外料理、たしかカレーライスを作っていた時に、お玉でルーを溶かしている時に、足を火傷してしまいました。その際にもこの紫雲膏がとてもよく効きました。
紫雲膏は火傷以外にも冬場の霜焼け、それにお尻のトラブル、肛門の粘膜や皮膚が切れてしまった場合や痔の痛みなどに役立ちます。
皆さんの周りに、霜焼けや、イボ痔、切れ痔、肛門の周囲が切れやすくつらい思いをしている方がいらっしゃいましたら、是非阪本漢方堂を教えてあげて下さいね。
阪本漢方堂
猪牙皂(ちょがいそう)→皂莢(そうきょう)マメ科サイカチ