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皆さん、おはようございます。
京都市四条新京極入り口の阪本漢方堂薬局です。
今朝は「感情と健康について」漢方の視点からみてみましょう。
保育園児の小さな子ども達を見ていますと、中には本当表情の豊かな、喜怒哀楽の感情表現が豊富な子供を見かけます。「パパの意地悪!」と怒ったり、涙を流したり、大好きな果物を与えると「今の涙は嘘泣き?」と思えるほど笑顔になったりします。
この感情の変化は子供たちだけでなく私達大人でも、色々な感情の波があることで人生にメリハリを与えてくれます。
しかし自らコントロール出来ないくらいの激しい感情の変化や、特定の感情、例えば怒り、不安、恐怖、後悔、不信感、絶望感などの感情に長期間支配されるような状態になった場合には、心のストレスだけにとどまらず、肉体のストレスにつながり、心身のバランスを崩し、その結果病気の発生になります。
そもそも漢方の世界では、病気の原因・心身を損なうものとして、一つは体の内側から関係するする欲や感情を、もう一つは体の外側から関係する環境からくるものとに分けることが出来ます。
前者を取り上げてみましょう。
貝原益軒の「養生訓」では「内欲とは飲食の欲、好色の欲、眠りの欲、言語を恣(ほしいまま)にする欲と七情(しちじょう)の欲を云う」
つまり体の内側か関係する欲として、「飲食の欲」は暴飲暴食のこと、「好色の欲」は色欲(しきよく)のままに精気無駄に放出すること、「言語を恣(ほしいまま)にする欲」は、無駄にしゃべりすぎること。
それらの欲に、更に7つの感情(*1)は、思い悩み過ぎるの「思」、怒りすぎの「怒」、喜び過ぎの「喜」、憂(うれ)うの「憂」、大きな悲しみの「悲」、過度な恐れの「恐」、過度な驚きの「驚」。
これら7つの行き過ぎた感情は、体の内側から刺激する為、漢方では五臓六腑の関係から対応する臓腑が傷ついてしまい病気が起こると考えています。
例えば、思い悩み過ぎると「脾胃(ひい)」現在で云う胃腸を傷つける。過度の怒りは肝臓の「肝」を傷つける。過度の喜びは「心(しん)」を傷つける。大きな憂(うれ)い・憂鬱な感情や悲しみは「肺」を傷つける。過度な恐れや驚きは「腎」を傷つけるなど、挙げることが出来ます。
当然これらのことは現在でも心理的ストレス刺激の要因として認識されています。
近所付き合い、親戚付き合い、職場での人間関係、それ以外にも失業、配偶者の死別などきっかけは人それぞれ有ります。
阪本漢方堂の漢方健康相談の中でも、肉体の面だけでなく、こころの面・感情面にもお悩みの原因になっていることがないかを伺い、お客様と共に原因を探るようにしています。
用いるのは漢方ですから、葉っぱや木の実、木の皮など植物性のものから、動物性のもの、時には鉱物などの天然物を原料にするので、化学合成のものが天然由来のものに変わっただけでなく、心身のバランスを整えることで、時間を要しても私達の体に本来備わっている自然治癒力をちゃんと高める考え方が重要なのです。
「今日も早く一日終わらないかな~、早く一月過ぎないかな~」などと日々を流すことなく、一日一日を前向きに、しかも心穏やかに日々をそれなりに気持ちよく過ごせるようにする。
漢方薬を通じて、皆様とそのような健康のお手伝いをしたいと、考えています。
「もっと早く相談したらよかった」と笑顔で云ってもらえるように、また「辛かったけど 病気を患って初めて気が付いたことがあるの」と笑顔で云ってもらえるように。
そのような思いを持って漢方健康相談をしています。
皆さんの周りに、お困りの方がいらっしゃいましたら、是非教えてあげて下さいね。
阪本漢方堂
*1七情(内因七情)身体の内側にあって病気の原因になるもの。