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皆さん、おはようございます。
京都市四条新京極入りの阪本漢方堂です。
今朝は「虫こぶと漢方」について取り上げてみましょう。
地元の京都府立大学や京都産業大学の教授らの共同研究にて、論文が国際学術雑誌Frontiers in Plant Scienceに掲載されたと報道が有りました。
内容はウワウルシ科のヌルデの木に、アブラムシの一種(ヌルデシロアブラムシ)が、
長さ数センチの虫こぶ作る際に、「昆虫が、虫こぶを作るために、植物の花と実を作る遺伝子を操作していることを明らかにした」とのことです。
そもそも「虫こぶ」とは、名前の通り虫をはじめ、キノコやカビをはじめとした菌類や細菌などが植物に寄生し、本来その植物は作らない形のコブで、虫癭(ちゅうえい)とも呼ばれています。虫こぶの出来る場所も葉や茎、それに花や実にも作られます。
私が面白い!と感じたのは、この虫こぶは漢方でも使われていたからです。
生薬名を五倍子(ごばいし)と云いまして、咳や痰、下痢、血便に用います。
漢方としての使い方以外に、黒色染料として歯を黒く染める「お歯黒」やインクの製造にも使用されていました。
しかし現在、生薬ルートで五倍子の流通を見かけません。
ここで更に現在でも漢方の現役として活躍しており、皆さんが聞いたことの有りそうな名前で、他の植物の虫こぶを紹介しましょう。
それはマタタビです。 「猫にマタタビ」で有名なマタタビは、マタタビ科の植物です。
ちょうど今頃6~7月に、梅に似た白い花を咲かせます。
このマタタビの果実に出来た虫こぶを、用います。
ちなみにスーパーで売っているキウィフルーツも、マタタビ科で同じ仲間の植物になります。
さて話戻りまして「猫にマタタビ」と云われますように、阪本漢方堂では飼い猫に与える為に、買いにお越しになられる方もいらっしゃいます。
他店では粉末やマタタビの葉っぱの取り扱いが多いなか、阪本漢方堂ではコロンとした姿のマタタビを取り扱っております。
マタタビは生薬名を木天蓼(もくてんりょう)と云いまして民間薬として、痛みのお悩み(リウマチ、腰痛、神経痛など)や冷え症、胃弱、元気をつける目的としてお茶のように煮出して用います。
痛みで悩んでおられる方は多いので、これから暑くなる季節の水分補給、健康茶として単独又は相性の良い他の薬草と一緒にお試しになる方法もおすすめです。
さてお茶としての使い方以外に、薬草生薬風呂とお酒・薬用酒の使い方がございます。
刻んで袋に入れてそのまま浴槽に入れるか、又は一度煮だしたお茶を浴槽に入れて身体の冷えや肩凝り、それに痛みに使用します。
次にマタタビ酒、つまり薬用酒として、梅酒を作るのと同じようにホワイトリカー・焼酎に漬けこんで、身体の凝り痛みの目的の他に、滋養強壮目的に食前や夜お休み前に、少量を薄めて飲む方法もあります。
皆さんの周りに、肩や首、背中のこり、痛みのお悩みの有る方(坐骨神経痛、脊柱管狭窄症、肋間神経痛、足腰の痛みなど)いらっしゃいましたら、阪本漢方堂を是非教えてあげて下さいね。
相談の出来る薬局 阪本漢方堂
京都府立大学リリースhttps://www.kpu.ac.jp/contents_detail.php?co=new&frmId=7857