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皆さん、おはようございます。
京都市新京極入り口の阪本漢方堂です。
奈良国立博物館で、現在開催中の第72回正倉院展、皆さん見に行かれましたか?
今回漢方生薬8種類が出展されており、その8種類の中から大黄と厚朴の組み合わせが、便秘を改善する漢方薬として思い浮かびました。
今朝は正倉院展の大黄と厚朴の組み合わせにちなんで「便秘と漢方」について取り上げてみましょう。日頃、便秘やお腹にガスが溜まり不快な思いをしている方に朗報ですよ。
まず大黄はタデ科の植物です。
同じタデ科でも属は異なるのですが、タデ科の仲間には、鮎の塩焼きを食べる際に用いるタデ酢の柳蓼、他には蕎麦や漢方生薬のイタドリやツルドクダミなどを挙げることが出来ます。
では大黄の働きをご紹介しましょう。
便通をつける働き、炎症やのぼせ、興奮など身体の上部の熱症状(熱証)を改善する働きや血の滞りを改善する働きがあります。
正倉院に献納された当時、200kg以上献納された大黄は、調査によると現在残りは約31kgとのこと。大半は既に使用されていた訳です。
「え?使ってもいいの?」と思いますが、
そもそも薬物の名称と数量、重さなどが記された目録「種々薬帳」には、「病に苦しむ人に使うように」とする光明皇后の願文も記されているのです。
便秘の改善をはじめ重宝されたことが想像することが出来、私はワクワクしてきます。
次に厚朴ですが、日本産では飛騨高山の郷土料理、朴葉味噌で有名なモクレン科ホウノキ、お料理ではホウノキの葉の上に味噌を具材と共に乗せて焼いて頂きますが、漢方では葉っぱではなく、樹皮を用います。
輸入品では同じモクレン科のカラホウの樹皮を用います。
厚朴の働きをご紹介しましょう。
便通をつける働き、下痢や消化不良を改善する整腸作用の働き、その他にも、気の巡りを良くする働きがあり、呼吸器疾患や神経症にも用います。
これらは単独で用いるより、相性の良い生薬と組み合わせます。
お腹に空気・ガスが溜まる不快感、いっそのことオナラが出たら楽になるのにと感じる方や便秘の方に用いる組み合わせが、この大黄と厚朴です。
それではこの組み合わせの漢方薬:厚朴三物湯(こうぼくさんもつとう)と乾坤(けんこん)2種類を紹介しましょう。
厚朴三物湯は、タデ科の大黄とモクレン科の厚朴、それにミカン科の枳実(きじつ)の3つの生薬が配合されており、腹痛が強く、おなかが張り、便秘する方に用います。
ちなみにダイダイやカラタチ未成熟な果実を枳実と呼んで用います。
乾坤は飲み易い小さな丸薬になった漢方便秘薬です。
乾坤は、大黄と厚朴をはじめ、センブリ、センナ、バラ科のノイバラの果実である営実(エイジツ)など8種類の生薬の組み合わせから作られています。
乾坤は、次のような方におススメです。
お腹にガスが溜まる不快感や、イライラを感じる方。排便に時間が掛かる方、トイレにいっても出来らず残っている感じの有る方(いわゆる残便感)、便が硬くて排便が困難な方、便が硬過ぎて切れて出血してしまう方、その他痔でお悩みの方。くさいおならが出る方。便秘が続くと肌荒れを感じる方などに、阪本漢方堂ではおススメしています。
7歳以上の子供さんの便秘からご高齢の方まで服用することが出来ます。
皆さんの周りに、便秘を伴う肌荒れや吹き出物にお悩みの孫娘さんや、便秘並びにお腹が張って不快な思いをされているお母さん、単に今だけ出すのではなく、以前のように便通薬に頼ることなく自然な通じをつけたい、体質改善を目指したい娘さんがいらっしゃいましたら、是非教えてあげて下さいね。
相談の出来る薬局 阪本漢方堂