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皆さん、おはようございます。
京都市新京極入り口の阪本漢方堂です。
最近、松葉のお茶の問い合わせをよく頂きます。全国的に、現在よく売れているようです。
何故だかの理由は皆さんで検索して調べて頂くとして、改めて「松」を考えると私達の暮らしに松は色々と関りがあると感じました。
例えば正月の門松をはじめお飾りに、秋の味覚「香り松茸」の松茸、地元では御所と呼ぶ京都御苑で子供の頃拾って遊んだ松ぼっくり、また盆栽と云えば「松」を想像してしまう私ですが盆栽、それにめでたい事、吉祥の象徴としての「松竹梅」にも、松は登場します。
じつは漢方の世界でも、松に関連したものが多数登場します。
松の葉、松の実、松かさ(まつぼっくり)、松脂(まつやに)、松の木の地下に出来るキノコ、ヨーロッパ産の松の木の皮に含まれる成分など、たくさんあります。
まずご紹介するのは、松の木の根っこに出来る菌核、キノコの仲間で、サルノコシカケ科の松ほど、生薬名を茯苓(ブクリョウ)と云います。
働きは・・・・・で、桂枝茯苓丸と呼ばれる冷えのぼせ、シミ、更年期障害、月経トラブルに用いる漢方薬に配合されています。
次に紹介する松の実。「お酒のつまみ」になりますし、また参鶏湯はじめ、中華粥トッピングとして、またナッツのように肉や魚の炒めた料理に加えます。
身体にも良く、フライパンに油をひかず香ばしい香りがするまで空煎りすると美味しく頂けます。
栄養成分は、不飽和脂肪酸やミネラル、タンパク質、ビタミンBやビタミンEなど、
松の実に、コレステロール低下作用や、血圧上昇を抑える作用で、私達の健康に、このように役立ちます。(*1)
松の実には潤す働きが有りますので、痰があまり出ない空咳の方、腸の潤いが無くウサギさんのようなコロコロ便のような便秘気味の方、肌の潤いの低下で乾燥肌の方に用います。昼間の精をつけ元気にしてくれますので、空炒りした松の実を、少しづつ毎日食べ続けることや、胡麻やクコの実と一緒に煎じて飲まれるのも一つです。
漢方では海松子(カイショウシ)、朝鮮五葉(チョウセンゴヨウ)と云います。
次に紹介するのは松かさ、松ぼっくりです。
含まれる松脂(まつやに)が最近はやりのキャンプの際に着火剤としても注目されています。
興味深いのは含まれる成分に抗ウィルス作用が認められ研究されている点です。(*1)
松脂(まつやに)は、漢方では、松香(しょうこう)や松脂(しょうし)と呼びます。
松の木から得られる油状樹皮を水蒸気で蒸留してテレビン油とロジンに分けます。
精油成分を取り除いた残りを冷まして半透明な琥珀色をした固まりが松香、(より精製されたのが)ロジンです。
松脂はおできの膿を吸い出す薬:たこの吸出し、吸出し青膏(あおこおう)の原料に使用されています。
最後に松の葉、松葉(まつば、しょうよう)です。
お茶のように煮出して飲んだり、梅酒のように松の葉をホワイトリカーに漬けて薬用酒松葉酒として用いたり、薬草風呂松葉湯(まつばゆ)にして入浴剤代わりに使用したりします。
手間の掛からない粉末タイプはそのまま水で飲みます。
漢方では風(かぜ)と湿気の邪を取り除くと考え雨の日、雨の降る前の日に具合の悪くなる関節の痛みやむくみに、また痒みを止める働きから湿疹や痒みを伴う肌トラブルに用います。
今後は今以上にフランス海岸松に含まれる炎症や酸化を抑えてくれる成分や、先に紹介した松ぼっくりに含まれる抗ウィルスの働きの松かさリグニンが研究発表され注目されると思います。
阪本漢方堂では500g入り松の葉の粉末や松の実、松脂は10g単位から、取り扱っています。
皆さんも、公園で松を眺める時には今日の話を思い出してくださいね。
今朝は松に関わる漢方のお話でした。
相談の出来る薬局 阪本漢方堂
*1松かさリグニン配糖体