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皆さん、おはようございます。
京都市新京極入り口の阪本漢方堂です。
本日10月2日は、10(とー)と、ひーふーみーの2(ふー)で、豆腐の日だと知りました。
今朝は「豆腐の薬膳料理に役立つ生薬」をご紹介しましょう。
秋が深まり、朝晩肌寒くなると湯豆腐が美味しい季節になります。
生姜やネギ、ユズ、スダチなど柑橘系を薬味にして頂くと更に味が引き立ちます。
薬味と云うくらいである意味これらも生薬ですし、海外の方から見ると湯豆腐料理自体が薬膳料理なのでしょう。
しかし日本に暮らす我々は、あまりにも身近過ぎるので、今日は漢方生薬:紅花(べにばな)と黄精(おうせい)を加えた湯豆腐を提案してみましょう。
まず紅花は、キク科の植物で漢方では花のところ(管状花)を使用し、生薬名を紅花(こうか)や、別名を紅藍花(こうらんか)、臙脂花(えんしか)とも呼ばれています。
古くから西ヨーロッパ、中近東、インド、中国で栽培されており、日本には奈良時代に渡ってきました。
漢方では脳血管のトラブルや、血の巡りの悪さからくる痛み、打身・打撲や、月経不順や月経痛などに用い、複数の漢方処方に配合されています。(*1)
紅花は、お茶のようにして単独で飲む他に、梅酒を作るように焼酎(ホワイトリカー)を加えて紅花酒を作ることも出来ます。
次に黄精(おうせい)は、ユリ科のナルコユリやカギクルマバナルコユリとその近縁植物の根茎を用います。
花の咲く様子を、鳴子に見立ててナルコユリと呼ばれるようになりました。
漢方では、元気の素「気(き)」を補い身体をシャン!と元気にし、肺を潤す働きが有り、慢性の肺疾患、胃腸虚弱、病後の食欲不振などなどに用いられています。
江戸時代には、砂糖漬けにした黄精が、精力減退や病後の回復の滋養強壮に良いとブームになったとあります。
先に紹介しました紅花酒同様、黄精に焼酎と砂糖を加えて作った黄精酒(おうせいしゅ)の楽しみ方もあります。
江戸時代の俳句で有名な小林一茶が52歳で初めて結婚し精力絶倫だったのはこの黄精酒を愛飲していたからと云う話もあります。
さてこれら2つの生薬を、鳥ガラスープをベースにして豆腐と一緒に煮込み料理をご紹介しましょう。
材料は・・・・
黄精3g
紅花1g
豆腐一丁
水500ml
鶏がらスープの素 小さじ4匙
醤油&日本酒 少々
青菜を添えて
ポイントとして黄精は水の状態から入れますが、紅花は最後の仕上げにいれ黄色が広がる数分で引き揚げます。出汁袋を利用すると扱いが簡単です。
試食した息子は、麺を入れてラーメンにしても食べてみたい!と言っていました。
ご家庭で漢方生薬を少しアクセントに用いたお料理を楽しんでみられませんか?
昆布ベースの紅花&黄精入り豆腐料理のレシピもブログの最後に掲載しています。
ぜひお試しください!
紅花や黄精は、量り売りもしています。
四条河原町界隈や、千本通今出川の西陣界隈にお越しになる機会がございましたら、お立ち寄りくださいませ。
阪本漢方堂では、紅花や黄精以外にも生薬の量り売りをしています。(*2)
皆さんのまわりに、果実酒のように漢方ハーブのお酒を漬け込みたい方、プチ薬膳料理に興味の有る方がいらっしゃいましたら、是非教えてあげて下さいね。
相談の出来る薬局 阪本漢方堂
*1 通導散、芎帰調血飲第一加減、折衝飲、血府逐瘀丸、冠心Ⅱ号方
*2 基本100g単位です。
昆布ベースの紅花&黄精入り豆腐料理
1 水500mlに昆布5cm角1枚を入れて、10分ほどおく
2 生姜スライス(3~4枚)、黄精小さじ1を加え、沸騰させる
3 出汁パックに1つかみ分の削り節を、上記2に入れて数分煮立たせた後、昆布、削り節は取り出します。そのまま10分位弱火で煮る。
4 豆腐1丁、豚薄切り肉100g位入れ、火が通ったらお好みで醤油など加え味をととのえる。
5 仕上げに、青菜(適量)と紅花(2~3つまみ程)を散らして、数分温め出来上がり。