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「梅雨の季節 漢方:五苓散」

皆さん、おはようございます。

本日は水分代謝、水はけを良くしてくれる漢方薬のお話です。

 

先月5月29日近畿地方は梅雨入りしました。

5月の梅雨入りは2013年以降、10年ぶりで、昨年より16日早かったようです。

ジメジメと蒸し暑く、阪本漢方堂の薬草保管室に設置している除湿機のタンクも1日で満タンになってきました。

京都盆地の蒸し風呂のような暑さは有名ですが、その時期を迎えると朝夕2回タンクの水を捨てないといけないほど湿度が上がります。

私達の身体は、これら外部環境の変化、季節の影響をとても受けます。

過剰な湿気により、身体の重だるさ、頭が重い、下半身のむくみなど症状が出やすくなります。

だるい猫のイラスト

もともと顕微鏡が無い時代、細菌やウィルスと云われるものが認識されていなかった時代に、発展してきたのが東洋医学・漢方医学です。

私達の身体の機能に悪い影響を与えるものを邪気として認識していました。

ウィルス感染:風邪を「風邪(ふうじゃ)」と書きますように、湿気が原因で身体の機能に悪い影響を与えるものを「湿邪(しつじゃ)」と呼び表しています。

梅雨が明けて夏本番、今年の夏は猛暑になるかわかりませんが、その頃に現れるものを「暑邪(しょじゃ)」と呼びます。

どうですか、漢方の世界はイメージしやすく、興味深いと思いませんか?

 

毎日、梅雨の雨雲や曇り空を眺めているだけで、気持ちも曇りそうですが、

ただ影響の出やすい方と、出にくい方がおられるのも事実です。

元々水はけが悪い方、むくみやすい方、気圧の変化に頭が重くなったり、痛くなったりする方、「あっかんべー」と舌を出した際に舌のまわりに歯型がついている方などなど、水分代謝が悪い方は、影響を受けやすいのです。

つまり身体の内外(うちそと)共に湿気だらけのイメージです。

 

鼻が弱い人は鼻水が出てきたり、前から鼻水が出なければ、喉に流れ落ちたり、と鼻や喉をはじめ呼吸器系に不調が現れないか?

湿気を嫌う胃(消化管)に不調、例えば食欲不振、下痢・軟便、お腹の張り・腹部膨満感などがあらわれていないか?

排尿に関係する腎膀胱系に不調が起きていないか?

関節(首や肩、足腰などの関節)に痛みが生じていないかなどを、漢方相談時に意識して伺うようにしています。

 

本日は水はけを良くしてくれる漢方薬:五苓散をご紹介しましょう。

配合される生薬は、大晦日の八坂神社での「おけら詣り」に用いられるキク科の白朮(ビャクジュツ)とサルノコシカケ科の茯苓(ブクリョウ)と猪苓(チョレイ)、薬用シナモンの桂皮(ケイヒ)、オモダカ科の沢瀉(タクシャ)の5種類の生薬が配合されています。

 

キク科の白朮とサルノコシカケ科の茯苓の組み合わせが、胃腸の水や、関節の水、筋肉の中の水など、余分な水分を血管内に吸収させ、他の生薬の組み合わせで血液中の水分を腎臓で尿として出してくれます。

 

使用目標として、汗をよくかいて、喉が渇き、尿の出が悪い場合。

風邪や熱中症をはじめ何らかの理由で熱があるが、汗は出なく、水を飲むと吐く場合。動悸や息切れがして、口が渇き、むくみがある、尿があまり出ない場合などに用います。

 

漢方の考え方の一つに「気(き)、血(けつ)、水(すい)」があり、その中の水(すい)、つまり水(血液以外の体液のトラブル)に用いる漢方薬です。

 

皆さんのまわりで、手足顔のむくみ、雨の降る前に体調がすぐれない方がいらっしゃいましたら、是非阪本漢方堂を教えてあげて下さいね。

 

明日、明後日の第一月曜日と火曜日は、四条新京極本店の定休日です。

お問い合わせの方は、本日ご連絡下さい。お待ちしております。

 

相談の出来る薬局 阪本漢方堂

 

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