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皆さん、おはようございます。
本日は「夏の疲れ&倦怠感と、漢方薬」についてご紹介です!
「夏が近くなると疲れやすい。常にだるくて重い。倦怠感が抜けず常にある」
そのような相談を受けることがあります。
皆さんは、夏場の体調大丈夫ですか?
先日ご相談頂いた70歳代女性の場合、比較的午前中は大丈夫だが、お昼ご飯を食べ終わった午後から疲労感や倦怠感を感じてしまう。
気力低下や集中力の低下も感じ、夕食を作る気力や体力も失うとのこと。
気温も湿度も既に高くなり、最近のニュースでは気温35℃超えの地域の報道もみかけます。
京都盆地の蒸し暑い夏もこれからが本番です。
自然環境の与える影響により、汗が出過ぎる、顔が赤くなる、身体に熱がこもった感じになるなどの他に、胃腸をはじめ消化器系や肺呼吸器系、腎系に不調が出やすくなります。
大量の汗をかく、これを漢方では「気(き)」と「水(みず)」の両方を消耗すると考えます。
元気の「気」を消耗すれば疲労や倦怠感が、「水」を消耗すれば冷却機能が低下し、身体に溜まった過剰な熱を冷ましにくくなります。
そこで用いたくなる漢方薬は、身体の熱を冷まし、元気の「気」と「水」を補い、補ったものを無くさないように留めておく(*2)、そのような生薬の組み合わせの生脈散(しょうみゃくさん)です。
途絶えそうな脈を復活させると云う「脈を生じる」が名前の由来と云われる生脈散(しょうみゃくさん)。
点滴が無い時代、西太后が亡くなる直前にも用いられたそうです。(*1)
配合される生薬は、ウコギ科の薬用人参、ユリ科のジャノヒゲの根の膨大部:麦門冬(ばくもんどう)、マツブサ科のチョウセンゴミシの果実:五味子(ごみし)の3種類です。
五味子は、花粉症やアレルギー性鼻炎、鼻かぜの際に用いる漢方薬 小青竜湯(しょうせいりゅうとう)にも配合されており、
5種類の味(甘味、酸味、苦味、辛味、塩味)が備わっていることから五味子との名前の由来があります。
咳や下痢、汗、口の渇きなどを鎮める働き、滋養の働きもあります。
五味子単独でお茶にして飲まれる方や、ホワイトリカーに漬けて薬用酒:五味子酒として滋養強壮目的で飲まれるのも一つです。
興味のある方は、五味子単独の販売もしておりますので、お気軽にお問い合わせください。
さて話は戻りまして、生脈散には、滋養強壮作用がありますので、普段から顔色が悪い、血の巡りが悪い、冷え症、胃腸の弱い方に用いられる漢方薬です。
元気の素「気」の不足を補い、体内の水分を作る働きを高める漢方薬です。(*3)
夏場屋外での仕事をされる方、屋内でも調理をはじめ火を使うお仕事の方、ゴルフや野球、サッカー、テニスなどスポーツで汗をたっぷりとかくような場合には、スポーツの開始前、仕事の日の服用を検討してみられるといいでしょう。
煎じなくても簡単に飲める、携帯に便利な顆粒タイプがありますので、お気軽に問い合わせください。
これから夏本番です。今までの夏を振り返り、朝起きた時に「身体がだるい、気分が悪い、吐き気がする」などの症状があった方いませんか?
睡眠中の熱中症にもご用心。寝る前と起床時の水分補給の際に本日紹介の漢方を服用する方法もお役に立ちます。
皆さんのまわりに、夏の暑さが苦手な方、夏の疲労や倦怠感で苦労された方がいらっしゃいましたら是非教えて下さいね。
相談の出来る薬局 阪本漢方堂
*1 清宮医案研究
*2 収斂(しゅうれん) *3 益気生津