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2017/05/28 放送
今朝は、栄養素・ミネラルの中から1つ問題を出してみましょう。
あるミネラルが不足すると次のような症状が現れやすくなります。
このミネラルはなんでしょう?お考え下さいね。
・元気がない ・味が分からない ・食欲が出ない ・口内炎 ・皮膚炎
・髪の毛が抜けやすくなる(脱毛) ・貧血 ・身長の伸びが悪い(発達期の低身長)
・傷が治りにくい ・うつ状態 ・男性の不妊症
以上、これらのキーワードのミネラルはなんでしょうか?
答えは亜鉛です。
口内炎や味が分からない(味覚障害)箇所で気が付いた方や、貧血、それに髪の毛が抜けやすくなる(脱毛)なんて気が付かなかった方もいらっしゃるのではないでしょうか?
亜鉛は、栄養素として必要不可欠な必須ミネラル16種類の1つです。
大切なミネラルですが、私達の身体の中に万遍なくそんざいしているのでしょうか?
答えは多く存在する場所があるのです。
それは舌・ベロにあり味を感じる味蕾(みらい)、そして腎臓、男性の場合は前立腺や精巣・精子に多く存在します。
と云うことは、亜鉛が不足すると、そのあたりに問題が起きてきそうと予想出来ます。
そもそも亜鉛は、私達の体の中でどのような働きをしているのでしょうか?
代表的なものを見ていきましょう。
1つ目は味覚に関わります。舌・ベロにある味を感じるパラボラアンテナの役割の細胞の集まりに、味蕾と呼ばれるものがあります。約10日前後の早いサイクルで次々と作り変えられており、その際にも亜鉛は不可欠なのです。
2つ目はタンパク質作り替え(合成)に関わります。タンパク質を作るには材料のアミノ酸同志をつなぐ作業が必要です。その作業をするのが亜鉛です。例えば口内炎が出来たことを想像すると、口の中に傷が出来て炎症が起こり、穴が開き、新しい粘膜・タンパク質によって口内炎は治ります。口内炎がなかなか治りにくい方は、もしかして亜鉛不足によるタンパク質の作り替えの働きが弱っているのかも知れませんね。
3つ目は貧血です。貧血と云うと鉄分不足をイメージしてしまいますが、鉄の補給だけでは改善されず、亜鉛と鉄の両方を補給すると改善する例が見られます。これは亜鉛不足による赤血球がこわれやすいことが考えられます。
赤血球の膜は主にタンパク質出来ており、亜鉛不足によりタンパク質の作り替えが上手くいかず赤血球膜がもろく本来の寿命より早く壊れてしまうことが原因の一つとして考えられます。
最後は精巣にも多く存在することに関連して、男性の精子の数や、精子の尻尾(精子尾部)形成にも亜鉛が関わります。性機能の低下につながります。
近年では不妊症の原因も半分近くは男性側にあると云われています。精子の運動率の低下で卵子まで泳ぎ着けないことが原因の一つに挙げられます。
元気な精子の中には亜鉛ともう一つのミネラル・セレンが多く含まれています。
では普段の食生活で何を意識して食べればいいのでしょうか?
一つは亜鉛を含む食材(肉類、魚介類、海藻類、野菜、豆類など)、特に牡蠣、豚レバー、
もう一つ意識するのは亜鉛の吸収を妨げるものを控える。つまり加工食品に含まれるポリリン酸が吸収を妨げるので、バランスの良い食生活を心掛けましょう。
他には化学合成の薬にも亜鉛吸収を抑える作用があるものや、味覚障害の原因となる薬剤もあるので、出来ることなら化学合成の薬を服用することなく過ごせる体づくりを、「一に養生、二に薬」の順番で考える方が良いでしょう。
阪本漢方堂では、口内炎をはじめ唾液や味覚など口のトラブル、男性不妊症、貧血、発育期の低身長のご相談を受け付けています。
ラジオをお聞きの皆さんの周りに、お悩みの方がいらっしゃいましたら是非教えてあげて下さいね。
阪本漢方堂