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2017/06/18 放送
今朝の話題は骨折です。知らぬま骨折・いつの間にか骨折と云われる言葉を聞くようになりました。
「ええ?漢方薬局で骨折の話?」と思われるかもしれませんね?
阪本漢方堂薬局にお越しのお客様からもご自身やご家族が骨折した話を聞くことが増えて参りました。
例えば、
・歩道を歩いていると、駐車場から出てくる車に気が付いたので、立ち止まり待っていると、ドライバーさんから「お先にどうぞ!」と譲ってもらい、慌てて車の前を横切ろうとしたら転んでしまい手首を骨折した話。
・旅行先で駐車場の車止めのブロックに、気付かずつまずき転倒、腕の付け根のくびれた所が骨折した話。
・住み慣れた家の畳のヘリに、つま先がひっかかり転倒、鎖骨を骨折。これで4回目の骨折。90歳代の女性の話。
・雨の日に駅のエスカレーターを、急いで下りていたらホームに着いた所で転倒。足首をひねったのか足首の骨にヒビが入った話。
・デパートのトイレ便座に座る時に、距離感が分からずドスンと尻もちをつくように座ってから腰が痛くなった。後日痛みが引かないので診てもらったら腰骨が圧迫骨折していた。
等々骨折のお話を聞く機会が増えました。
最後の方は、自宅ではなく他所のトイレだったことと、目が悪く距離感が上手くつかめないだけでなく、筋力の低下も背景に有ることが推測されます。
これらの例は皮膚から骨が飛び出さない骨折で皮下骨折・単純骨折と呼びます。
ところで皆さん複雑骨折と云うとどんな骨折のイメージですか?
骨が細かくバラバラに砕けたイメージでしょうか?答えは誤りで、骨がバラバラに砕けた折れ方を粉砕骨折と呼びます。
では何かといいますと、皮膚から骨折した所が飛び出すタイプの開放骨折のことで、傷口から感染を起こす可能性が有り治療が複雑になります。一般の云い方と違い本来こちらを複雑骨折と呼びます。
日常お客様とお話していますと、たいていの方は「転倒⇒骨折⇒寝たきり⇒認知症」に進むことが怖いとおっしゃいます。
ラジオをお聞きの皆さん質問ですが、高齢者の骨折しやすい骨の場所や骨折し易い状況をご存知ですか? それは、
1.尻もちをついた時に、股関節にある太股・大腿骨の付け根のくびれた所。それに背骨の胸や腰の椎体の骨折(圧迫骨折)
2.住み慣れた家の中でも外でも、転んだ時に手をついたりして、手首の3か所の骨と、肘の上腕骨、あと鎖骨や腕・上腕骨の付け根のくびれた所など挙げることが出来ます。
経験なさった方は嫌な思い出ですね。
何故高齢になるとこのようなリスクが高まるのでしょうか?
通常、65歳を過ぎると骨折しやすい所の骨粗鬆症が進み、外からの力に対して弱くなってきている点。その他にも筋力の低下や神経系の低下が影響して、バランス感覚の低下、素早い反応が出来なくなる点も原因の一つに考えられます。
もし不幸にも骨折した場合、骨の再生が早い方と遅い方がいらっしゃいますが、
普段からどのような事に気を付ければいいのでしょうか?
大切なことは、日々のカルシウム代謝を如何に高めておくか!骨も新陳代謝しています。「古い骨を壊す流れ」と「新しい骨を作る流れ」のバランスが重要なのです。
1日1日しっかりとカルシウムを日々の食事で摂ること。食べ物に含まれるカルシムは胃で胃酸によってカルシウムイオンとなり、イオン化したカルシムが腸から吸収される仕組みです。
それ故に人によっては、高齢者の方で消化吸収能力が弱っている方・胃酸を抑える胃薬を飲んでいる方・病気で半分又は全部胃を取った方などは、カルシウムの吸収がかなり悪くなっていることが考えられます。
そこで必要に応じてカルシウム製剤などで補給するのがいいでしょう。錠剤や粉、液体タイプが有りますが、吸収率の良いイオン化された液剤が効果的です。毎日の食生活にプラスオンして上手に活用しましょう。
最後に、今日は父の日です。
ラジオをお聞きの皆さんの周りに、高齢者の方で消化吸収能力が低下しているお父さん、胃薬を常に飲んでいるお父さん、胃の手術をしたお父さん、今までに一度でも骨折したお父さんの中で、骨量や骨の質を高めたい方がいらっしゃいましたら、是非教えてあげて下さいね。
阪本漢方堂