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2017/10/15 放送
秋の七草と云いますと、薄(ススキ)、萩(ハギ)、葛(クズ)、撫子(ナデシコ)、女郎花(オミナエシ)、藤袴(フジバカマ)、キキョウ(桔梗)の7種類です。
春の場合は七草粥にして食べるからでしょうか?秋の七草より春の七草の方が、親近感を持つのは私だけでしょうか?
万葉時代にはアサガオと呼ばれていたものが桔梗とされています。
漢方的に秋の七草を再度見てみると・・・・
薄(ススキ)はイネ科の植物で尾花とも呼ばれます。
萩(ハギ)と葛(クズ)はマメ科の植物で、葛の根を用いたのが葛湯で、漢方薬の葛根湯に配合される葛根です。
撫子(ナデシコ)はナデシコ科の植物で、生薬名:種を瞿麦子(クバクシ)、葉から茎すべて含めた全草を瞿麦(クバク)と云います。
女郎花(オミナエシ)はオミナエシ科の植物で、生薬名を敗醤(ハイショウ)と呼びます。
藤袴(フジバカマ)はキク科の植物で、生薬名を蘭草(ランソウ)、佩蘭(ハイラン)と呼びます。
最後に万葉集に登場するアサガオと呼ばれていていたのが、キキョウ科のキキョウ(桔梗)と云われており、その生薬名を桔梗根(キキョウコン)と呼びます。
実際よく流通しているのは葛の根の葛根と桔梗です。
更に桔梗について見てみると、ラジオをお聞きの皆さんの中にも桔梗の家紋のお家も
あるのではないでしょうか?
桔梗の家紋の有名人では、明智光秀、坂本龍馬など挙げることが出来ます。
ちなみに阪本漢方堂の「阪(さか)」は「こざとへん」ですが、坂本龍馬の坂は「つちへん」、ちなみに私の母親は旧姓「つちへん」の坂本さんで、旧姓「つちへん」の坂本さんから「こざとへん」の阪本さんへ嫁いできたので、呼び名では名前が変わらなかったとのこと。
他に桔梗の家紋として阪本漢方堂から徒歩約10分の堀川今出川下がる西側の清明神社では清明桔梗を見ることが出来ます。
さてもう一度、桔梗は漢方の世界でどのように活躍しているのでしょうか?
漢方で使用するのは根っこで、咳止め、炎症や痰を抑える働き、排膿の働きが有ります。
例えば、喉の粘膜が炎症を起こして痛みが出てきたり、声が出にくくなったりする場合に、この桔梗の根っこと、葛根湯にも配合されているマメ科の甘草の2種類を配合した桔梗湯(キキョウトウ)を用います。
同じように桔梗の炎症を抑える働きを考えて配合されている錠剤タイプの漢方薬に銀翹錠(ギンギョウジョウ)が有ります。この錠剤にはキキョウの他にスイカズラ科のキンギンカや、シソ科のハッカを含めた5種類の生薬が配合されていて、喉の痛みに効きます。
その他にも風邪のひき始めに良く用いることで有名な葛根湯。その際に喉の粘膜の炎症・痛みを目標にキキョウと鉱物のセッコウを配合して用いる方法もあります。
最後に喉の炎症だけでなく、耳の粘膜での炎症、例えば中耳炎が1~2週間たっても治らない場合にも、先と同じようにキキョウとセッコウの組み合わせを用いることを検討します。
秋の七草の一つの桔梗、花言葉は「清楚・誠実・気品」
花の形や色を想像すると、なるほど!と思ってしまう桔梗は、見て楽しむだけでなく漢方の世界でも役に立っているのです。
ラジオをお聞きの皆さんの周りに、扁桃腺が腫れやすい方、扁桃周囲炎、耳では中耳炎など
喉や耳の粘膜の炎症がなかなか良くならずに慢性化していて困っている方がいらっしゃいましたら、是非教えてあげてくださいね。
阪本漢方堂