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皆さん、おはようございます。京都・四条新京極入り口の阪本漢方堂です。
今年の干支「亥」から。漢字では「亥」と書きますが、動物では猪。
そこで今朝の話題は、猪の名前の付く生薬・猪苓(ちょれい)を取り上げてみましょう。
この聞きなれない猪苓はキノコの仲間の担子菌類で、サルノコシカケ科の猪苓舞茸(チョレイマイタケ)の菌核を用います。
ブナやミズナラ、クヌギなど山林の中で、腐った根に寄生するキノコで、地上部分は食べることが出来ます。
漢方で用いる菌核と云うのは地中にあり、掘り上げると猪の糞に似ているから猪苓と名前がついたと云われています。
5~15cm位の黒褐色のデコボコした塊です。
漢方では尿量が少なくなった場合や、浮腫・むくみ、下痢に用います。
では次にこの猪苓が配合されている漢方薬を2つご紹介致しましょう。
一つ目は名前からそのまんま「猪苓湯(ちょれいとう)」から。
この漢方薬は膀胱炎や腎炎などに用いられ、同じサルノコシカケ科の茯苓(ブクリョウ)、
オモダカ科の沢瀉(タクシャ)、
鉱物生薬の滑石(カッセキ)、
それに膠である阿膠(アキョウ)から作られています。
おしっこが出にくく、残尿感がある、
排尿時に痛みを感じる場合に用います。
人によっては膀胱炎が癖のように繰り返し患う方もおられ、相談にお越しになります。
数的には尿道から異物である細菌の侵入を許してしまい、膀胱の粘膜に炎症を起こしてしまうパターンが多いように感じます。
原因となる細菌と云うのも8割は私たちの腸に住んでいる大腸菌です。
免疫力が弱っていて、異物である細菌を跳ねのけられなくなってしまっては困ります。
では日常生活の予防で、何が大切なのでしょうか?
休むということ。睡眠をちゃんととる。
お勤め・介護・看病などで疲れた身体を休ませる。
栄養バランス良い食事をちゃんと取る。まさしく休養が大切です。
次に水分をしっかりとって、トイレを我慢しないことです。
膀胱までさかのぼってきた菌を洗い流すイメージです。
水や普通のお茶より膀胱炎に良いとされている薬草茶がお勧めです。
既に症状が出ている方は先のご紹介した猪苓湯をはじめとした本格的な煎じ薬か、手間の掛からない顆粒タイプで。
予防には普段のお茶代わりとしてツツジ科のウワウルシやシソ科の夏枯草(かごそう)などの薬草茶で飲まれるのもお勧めです。
今朝は干支にちなんだ「猪」の名前のつく漢方薬から、膀胱炎に関連でした。
皆さんの周りに、膀胱炎や尿道炎、男性では前立腺のトラブルなどで
お悩みの方がいらっしゃいましたら、是非阪本漢方堂を教えてあげて下さいね。
最後にお知らせです。
今週23日(水)KBSラジオカーが阪本漢方堂の新京極四条本店に訪れ、11時20分頃からラジオ中継を行う予定です。阪本先生も生出演予定なのでもし宜しければ、皆さんお聞きくださいね。
阪本漢方堂