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皆さん、おはようございます。京都・四条新京極入り口の阪本漢方堂です。
「荒れ果てた竹林、国産メンマが解決!」と5月にニュースがありました。
ラーメンに欠かせないメンマ。
国産メンマは主流である外国産のものと加工方法の違いで歯応えや香りが好評と報道がありました。
今日は竹の子にちなんだ漢方の話題です。
皆さんもこの春、竹の子は召し上がりましたか?
竹の子料理には、私の好きな木の芽和えをはじめ煮物や天ぷら、ホイル焼き、竹の子ご飯、にぎり寿司など有ります。
しかしちゃんと下茹でをして、あく抜きをしておかないとえぐみが残ってしまいます。
このえぐみの原因はシュウ酸で、竹の子の他にも、ほうれん草、コーヒーや抹茶などに含まれています。
シュウ酸はカルシウムとくっつき易く、普段の食事でもカルシウムを意識して食べてもシュウ酸とくっついたまま便として出てしまい、カルシムの吸収が悪くなる特徴が有ります。
では竹の子に含まれる栄養成分をみてみましょう。
竹の子は食物繊維が豊富で整腸作用があり、コレステロールの吸収を抑える働きが有ります。
それ故に便秘気味の人やコレステロールが高い方にはおすすめです。
その他の栄養素として野菜の中では珍しくアミノ酸も多く含まれその中でも新陳代謝を高め、脳の働きを活性化するチロシンを含んでいるのが特徴です。
食べて美味しく健康に役立つ栄養成分のあるタケノコですが、漢方の世界でも使われるのでしょうか?
漢方ではハチク(淡竹・葉竹)を用います。
ハチクの竹の子も美味しいようですが、漢方では用いず、使用する場所は竹の子ではなくもっと上の葉や竹の中間層を用います。
具体的にご紹介しましょう。
まず始めにイネ科のハチクの中間層を竹筎(ちくじょ)と呼びます。
竹の外側の緑色の皮をはいで、少し黄色っぽい箇所を用います。
肺の熱を冷まし、痰を取り除いてくれたり、胃の余分な熱を冷まし吐き気を改善したり、不眠や動悸と云った症状にも用います。
インフルエンザや風邪・肺炎などの回復期に熱が長引いたり、平熱になっても、気分がスッキリしなかったり、咳や痰が多い方に用いる漢方薬(*1)にも配合されています
次にハチクの葉を竹葉(ちくよう)と呼びます。
漢方では口の渇きや胸の辺りに熱が籠もり、じっと出来ない場合に用います。
具体的には糖尿病の方の口の渇きにこの竹葉(ちくよう)をはじめ、薬用ニンジン・葛の根・マツブサ科の五味子など含め10種類の生薬が配合された漢方薬:麦門冬飲子(ばくもんどういんし)に配合して用います。
また風邪の後のいつまでも続くしつこい咳、特に乾いた咳で気道に炎症が残っているタイプの咳に、この竹の葉・竹葉(ちくよう)と鉱物の石膏をはじめとした7種類の生薬の組み合わせからなる竹葉石膏湯(ちくようせっこうとう)を用います。
阪本漢方堂では、いつまでも続くしつこい咳で悩む方や、糖尿病でお悩みの方からの相談も多くお受けしています。
その中でも糖尿病は、数値が悪くても自覚症状が無い場合やまた症状が出ていても放置されている場合が問題です。
例えば糖尿病からくる腎臓の数値が悪くなる方もお越しになられます。そうなってしまう前の早目の対策が大切です。
お薬は出されず、「次回の診察まで様子をみましょう」と病院で言われた場合でも、運動や食養生はとても大切です。
皆さんの周りに、糖尿病の方や、いつまでも続くしつこい咳をする方がいらっしゃいましたら、是非教えてあげて下さいね。
阪本漢方堂
*1 竹茹温胆湯(チクジョウンタントウ)