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皆さん、おはようございます。
京都市四条新京極入り口の阪本漢方堂薬局です。
今年も残り1か月半をきりました。そこで改めて今年の干支「亥」から。漢字では「亥」と書きますが、動物では猪。
今朝の話題は、猪の名前の付く生薬・猪苓(ちょれい)を取り上げてみましょう。
この聞きなれない猪苓はキノコの仲間の担子菌類で、サルノコシカケ科の猪苓舞茸(チョレイマイタケ)の菌核を用います。
ブナやミズナラ、クヌギなど山林の中で、腐った根に寄生するキノコで、地上部分は食べることが出来ます。漢方で用いる菌核と云うのは地中にあり掘り上げると猪の糞に似ているから猪苓と名前がついたと云われています。
5~15cm位の黒褐色のデコボコした塊です。
漢方では尿量が少なくなった場合や、それに浮腫・むくみ、下痢に用います。
本日は猪の名の付く生薬にちなんで猪苓の配合されている漢方薬、五苓散(ゴレイサン)をご紹介しましょう。
一般的に浮腫・むくみに良い組み合わせである、同じサルノコシカケ科の茯苓(ブクリョウ)とキク科の白朮(ビャクジュツ)の他に、本日紹介の猪苓とオモダカ科の沢瀉(タクシャ)の組み合わせ、その他に薬用シナモンの桂皮(けいひ)等が配合されています。
この漢方は使用出来る場面が幅広く有り、例えばこれから多くなるクリスマス会や忘新年会などついつい飲みすぎてしまい、二日酔いで口は乾くは胃の辺りが気持ち悪く吐きそうになったり、お腹に水が溜まったようなチャポチャポした感じがしたりする場合に用います。
子供さんの吐き下しや乗り物酔いにも用います。
使用するイメージとして、汗(発汗)と尿の出が少なく、口が渇く。でも水を飲むと吐いてしまう状態。子供さんの場合、胃腸炎で熱が出て、口が渇くからと水分を与えると吐いてしまうイメージ。
大人の場合だと、二日酔いで口が渇くが、水分を飲むと吐いてしまうイメージです。
漢方の世界では、水分代謝の異常を「水」の「毒」と書いて「水毒(すいどく)」と云う考え方が有ります。
雨が降る前日に起こる頭痛や眩暈(めまい)、昔の古傷の痛み、膝や腰など関節痛もこの余分な「水」が原因しているのでは?と漢方では考えます。
皆さんの周りに、よくお酒を飲み翌日の午前中軽い二日酔いのせいか頭や身体が重く感じる方や、むくみやすい方、乗り物酔いになり易い方、お天気によって眩暈や頭痛、関節痛や神経痛など症状が気になる方がおられましたら、是非阪本漢方堂を教えてあげて下さいね。
阪本漢方堂