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皆さん、おはようございます。
京都市新京極入り口の阪本漢方堂です。
年末に新潟県魚沼産のコシヒカリを頂きました。やはり米どころとして全国トップの産地とても美味しく頂きました。
しかし最近では、米の国内消費が減少しているとのこと。炭水化物ダイエットでお米をはじめ炭水化物を控えているとの話を耳にします。
私の食生活でもパンやうどん、ラーメンなど小麦も食べますが、やはり主食はお米、米飯です。そこで今朝は「お米と漢方」について取り上げてみましょう。
小学生から中学生の頃に、飯盒炊爨(はんごうすいさん)をよくしました。たいていはカレーライスが登場しましたが、アルミフォイルで包んで作るハンバーグを作ったのも良い思い出です。
「はじめチョロチョロ」「中パッパ」「飯盒を火から下ろし、上下反対にして蒸らす」
良く失敗もしましたが、上手くいくと自宅同様、ふっくらと米の甘味と粘りと艶のあるご飯が湯気と共に登場します。
おこげも美味しかったことを思い出します。
このお米のふっくら粘りのあるご飯になるのは、どうしてなのでしょうか?
お米の主成分は炭水化物で、ブドウ糖がたくさんつながって作られたでんぷんです。
水を加え加熱する「はじめチョロチョロ」「中パッパ」「蒸らす」工程の中で、デンプンのα化や、お米に含まれる酵素の働きでブドウ糖やブドウ糖が2個くっ付いたりが出来て、お米の甘味につながります。
ちなみにお米に含まれる栄養素は炭水化物のデンプンだけではありません。
意外に思われるかもしれませんが、白米には炭水化物のデンプンの他に、タンパク質も含まれます。
例えばお茶碗1杯の白ご飯(約150g)には炭水化物57g、タンパク質は3.8g含まれています。
肉や卵と比べると少量ですが、阪本漢方堂に通う慢性腎臓病のお馴染みさんの中には、タンパク質制限の為に、お米の蛋白質を抑えた「低たんぱく米」を召し上がっている方も複数いらっしゃいます。
もっと栄養成分が豊富に含まれる玄米では、食物繊維、鉄分やカルシウム、ビタミンB、ビタミンEも豊富に含まれています。
よって普段白米の方は時に胚芽米にしたり、普段から胚芽米を食べている家庭では、七分つき、五分つき、三分つきなど(数字が小さくなるほど玄米に近くなる)にしたり、玄米そのものが硬くボソボソした感じが苦手なら、発芽玄米の方がより食べやすくてお勧めです。
ちなみに白米の部分を更に削って、玄米から見ると半分以上削って(タンパク質や脂質などの成分を削り落として)用いるのが、日本酒の大吟醸です。
さて前置きが長くなりました、漢方の世界でもお米は活躍しているのです。
イネ科のイネ、玄米を生薬名、粳米(こうべい)と呼んで、胃腸の働きを整え、身体を元気にし、口の渇きや下痢の方に用います。
より専門的には、相性の良い生薬と組み合わせます。
例えば竹葉(ちくよう)つまり同じイネ科の竹の葉っぱや、鉱物である石膏、それに薬用人参など含めた*種類の生薬と組み合わせた漢方薬:竹葉石膏湯(ちくようせっこうとう)として、「乾いた咳、空咳」や「風邪の後にいつまでも残るしつこい咳」に使用します。
いつまでも咳が続くと気管や気管支、肺に熱・炎症が生じるのですが、この熱・炎症を取り除く働きの石膏が胃に与える負担を和らげる意味でも、本日紹介のお米である粳米(こうべい)が、配合されている訳です。
私達の主食である米は、漢方の世界でも役立ってくれているのです。
今朝は「お米と漢方」にちなんだお話でしたが、皆さんの周りに、乾いた咳・空咳が続く方、風邪の後にいつまでもしつこい咳が残る方、風邪に備えて常備薬を探しておられる方、腎臓病の数値が高い方など、いらっしゃいましたら是非教えてあげて下さいね。
相談の出来る薬局 阪本漢方堂