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皆さん、おはようございます。
京都市新京極入り口の阪本漢方堂です。
今朝は「豚と漢方」について取り上げてみましょう。
豚と云えばトンカツ、豚肉丼(豚丼)、生姜焼き、煮豚や角煮、豚肉の冷しゃぶ、豚の竜田揚げ、エノキやアスパラガスの肉巻きなど、色々美味しそうな豚肉料理が思い浮かびます。
豚肉に含まれるビタミンB群は牛肉より豊富で、脂質や糖質、タンパク質の代謝に関わります。
ところで豚は漢方の世界でも、活躍してくれています。その中でも阪本漢方堂では2種類の点で役立っています。ご紹介しましょう。
まずはラード、豚脂です。
漢方では塗り薬、軟膏の基材として用います。
江戸時代の名医華岡青洲が考え作りだした漢方の塗り薬に、紫雲膏(しうんこう)が有ります。この軟膏にはムラサキ科のムラサキと云う花の根っこである紫根(しこん)とせり科の当帰、それに胡麻油、蜜蠟(ミツロウ)、豚脂が配合されています。
ムラサキの根は、そもそも紫色の草木染、染料として用いられてきており、この軟膏も赤紫色をしています。火傷や湿疹・皮膚炎、それに人に相談しにくい痔に伴う痛みや硬い便で肛門が切れてしまった際に用いる軟膏に豚脂が配合されているのです。
次は胎盤を用いたプラセンタです。
プラセンタの名前を聞かれた方、女性雑誌などで美容にお肌に良いと目にした方もいらっしゃるのではないでしょうか?
たしかに阪本漢方堂にもプラセンタ化粧品を取り扱っております。
そもそも胎盤(プラセンタ)製剤自体は、紀元前4世紀に古代ギリシャの医師ヒポクラテスにとって紹介され、その後中世ヨーロッパで不妊症・脳卒中・てんかんの治療に用いられたと伝えられています。
一方中国では本草綱目(ほんぞうこうもく)で紫河車(しかしゃ)と紹介され、美容・強壮剤・末期症状の蘇生薬として使用され、特に楊貴妃が愛用されたと云われています。
現在我が国でも病院や開業医のクリニックでは、人間の胎盤を原料にした医療用医薬品プラセンタ製剤が流通しています。
十年以上前までは私共薬局でも同じ人間の胎盤を原料にしたプラセンタ製剤を取り扱うことが出来ましたが、現在では(使用の際に同意書のサインの必要の無い)豚を原料とした一般用医薬品プラセンタ製剤を取り扱っています。
こちらは飲むタイプで、液体ドリンク剤タイプや、顆粒タイプ、錠剤タイプなど取り揃えています。
クリニックに定期的に注射をしに通院しにくい方には、錠剤タイプを勧められることが多いようですが、顆粒タイプや液体ドリンク剤タイプもご提案出来ます。
プラセンタの働きは、更年期障害や肝臓病でも使用されていますがそれだけではないのです。血液循環を促すほかに、血液を造ること、それに疲労回復を促進したり、自律神経のバランス調整をしたりしてくれます。
私は肝臓の数値が高い方、γGTP AST ALT、昔で云うGOT GPTが高い方には良いと感じています。
例えば50歳代半ばの男性の肝臓病。原因は飲み過ぎで、ビールから始まり焼酎へ。4合瓶の焼酎1本が2日ペースで空になる。自覚症状として眩暈(めまい)、立ち眩み、手足の震え、お酒の飲み過ぎの数値γGTPが1200超えで、奥さんだけでなく主治医からも怒られる始末。プラセンタの液体ドリンクタイプ他漢方と併用して頂き、一月後の検査で1/5(五分の一)に数値が下がりました。
肝腎要と云われる大切な場所なので、食養生も含めフォローしています。まだまだ安心出来ませんが、検査値の改善と共に自覚症状の改善が感じられることで、とても喜んで頂けます。
皆さんの周りに、プラセンタ製剤がお役に立ちそうな肝臓のトラブルをはじめ、更年期障害、貧血や寝ても翌日に持ち越す疲れ(疲労感)、高齢になり胃腸の働きが弱くなり、食欲低下で栄養が足りない方、栄養が偏っているなど、感じる方がいらっしゃいましたら是非教えてあげて下さいね。
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