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皆さん、おはようございます。
京都市新京極入り口の阪本漢方堂です。
新型コロナウィルス感染対策として、ワクチン接種が進んできています。
当薬局ご利用のお馴染みさんも2回目終えた方の話を耳にすることが増えて参りました。
中外製薬が新型コロナウィルス治療薬を厚生労働省に承認申請書したとの報道にせっしました。インフルエンザ治療薬(*1)のように、何種類か世の中に出回るといいですね。
報道を見ていますと「ウィルスをいかに叩くか!やっつけるか!」にフォーカスされていますが、もう一つ大切な考え方として漢方の世界では、「どのような身体の状態にしておけば、症状がひどくならず対応できるか」の視点を重視します。
いわゆるウィルス、病原菌に対する抵抗力の充実具合です。
この視点は新型コロナウィルスだけでなく、他の既存や、今後新たに出現すると思われるウィルスについても対応出来ることにつながると考えられます。
単純に表現すれば、度々風邪を引く人とひかない人。一度風邪を患うと重くなり長引く人と1~2日で症状が良くなる人。
異物であるウィルスに対し、粘膜に付着しても身体に侵入させないバリアー(*2)をしっかりと保つ。侵入を許したとしても免疫細胞の白血球の仲間がちゃんと対応処理(*3)してくれるように身体にしておくことが大切です。
よって考え方として、西洋医学と東洋医学である漢方医学の両方で物事を捉えておくことが大切だと考えます。
さてここで夏風邪の漢方薬についてご紹介しましょう。
寒さや乾燥を好む冬風邪のウィルスとは異なり、夏風邪のウィルは高温多湿を好みます。
当然現れる症状も違ってきます。
具体的には、吐き気や下痢、腹痛など胃腸症状、発熱(身体が火照り感)、喉や目の炎症、口の渇きなど症状などが、夏風邪の特徴です。
夏は暑いので冷房を使用しますが、冷房による自律神経系の乱れや、暑くて寝られない、食べられなくなりミネラルやビタミン、タンパク質など栄養不足など起きやすく、これらは異物であるウィルスに対する抵抗力が低下してしまいます。
普段から養生や予防をしておくなか、夏風邪の症状が出た時に活躍する漢方薬は、どのようなものがあるのでしょうか?
本日は霍香正気散(かっこうしょうきさん)を紹介しましょう。
配合されている生薬は、紫蘇の葉、同じくシソ科の霍香(かっこう)、桔梗の根、サルノコシカケ科の茯苓(ぶくりょう)など13種類から作られています。
この漢方薬の良い点は、夏風邪なのか?暑さによる身体のトラブルなのか?自分で分からない時にも対応できるのです。
具体的には身体の倦怠感、食欲不振、下痢に効きます。
最後に繰り返しになりますが、「常日頃からどのような身体にしておけばウィルス感染に対し対応出来る状態を維持出来るのか」の視点が大切だと思います。
この考え方は、ウィルスだけでなく他の異物(病原体や、がん細胞)に対しても有効だと思えるからです。
皆さんも、西洋医学と東洋医学である漢方医学の両方の専門家と普段から関係性を築いておかれることをおススメします。
湿度や気温の上昇による暑さが原因の疲労倦怠感や、お腹のトラブルなど昨年しんどい思いをなさった方、普段から下痢軟便気味の方など、皆さんの周りにいらっしゃいましたら、是非教えてあげて下さいね。
相談の出来る薬局 阪本漢方堂
*1 タミフル、ゾフルーザ、リレンザ、イナビル、ラピアクタ
*2 衛気
*3 自然免疫(マクロファージ、樹状細胞、好中球、NK細胞)