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皆さん、おはようございます。
今回は「オキシトシンと漢方薬 加味帰脾湯」についてです!
テレビでも取り上げられましたが、皆さん「オキシトシン」と呼ばれるホルモンの名前をご存知ですか?
愛情ホルモン、幸せホルモンとも世間で呼ばれるこのホルモンは、
出産の際に母体の子宮や乳房に作用し、後産や授乳に関係します。
生まれた子供の面倒を見るという母性行動を育む働きがあると云われており、それ以外にもストレスや不安を軽減する働きのホルモンです。
ラットを用いた動物実験ですが、加味帰脾湯と呼ばれる漢方薬を与えた実験で、このオキシトシンの分泌量が増加したと、今話題になっています。
では加味帰脾湯とはどのような漢方薬なのかをご紹介しましょう。
イメージとして、もともと胃腸が弱い方が忙し過ぎて過労や心労の結果、すぐ疲れる、全身のだるさ倦怠感、寝ても疲れが翌日に持ち越す、寝ることさえままならない(不眠)、顔色が悪い、頭への血の巡りが悪いのか物忘れが増える等のお悩みに用います。
配合される生薬は、ウコギ科の薬用ニンジン、サルノコシカケ科の茯苓(ブクリョウ)、マメ科の黄耆(オウギ)、セリ科の当帰や生姜、ナツメの実である大棗(タイソウ)など15種類です。
製薬メーカーによってはボタン科の牡丹皮を入れていない14種類の場合もあります。
配合されている生薬の内容は、
水はけをよくするサルノコシカケ科の茯苓と、キク科の白朮(ビャクジュツ)や蒼朮(ソウジュツ)。
消化吸収能力が低下して元気がない方に用いるマメ科の黄耆と甘草、薬用人参、白朮(ビャクジュツ)の組み合わせは元気を補い、身体をシャン!とさせます。
またオキシトシンを増やしてくれるのは、セリ科の当帰と生姜、ナツメの実の大棗(タイソウ)です。
これら3種類は普段からよく使用される生薬なので、動物実験とはいえ、オキシトシンを増やしてくれることに私はワクワクしました。
他に注目すべきは、精神を安らかにし、物忘れ(健忘)に用いられるヒメハギ科の遠志(オンジ)も配合されていることです。
加味帰脾湯がオキシトシン(愛情ホルモン、幸せホルモン)で取り上げられる前は、物忘れの漢方薬でも有名になりました。
改めて加味帰脾湯は体力的にも弱いタイプの方で、顔色(血色)が悪く、貧血や、不眠、精神不安、神経症のお悩みの方に用います。
ただし顔の火照り、手足の火照りなどは無く、逆に手足の冷えを感じる方や、イライラなど伴わない方は、クチナシの実である山梔子(サンシシ)と、セリ科の柴胡(サイコ)、ボタン科の牡丹皮を除いた帰脾湯(キヒトウ)がいいでしょう。
詳細はご相談の際に、お尋ね下さいね。
加味帰脾湯は、阪本漢方堂では手間が掛からず簡単に飲むことの出来る顆粒タイプと、本格的な煎じるタイプを取り扱っています。
春は、進学や就職、また転勤などで新たな環境で暮らし始める方も多いことでしょう。また見送る家族も離れて家族が暮らすことで寂しくなることでしょう。
皆さんの周りに、新しい環境になじめず、眠れない、イライラや不安感、落ち込み、食事量の減少や貧血傾向など困った症状のある方がいらっしゃいましたら、是非阪本漢方堂を教えてあげて下さい
相談の出来る薬局 阪本漢方堂
*1 トートラ人体解剖生理学