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「令和6年干支「辰」にちなんで「竜」の名前のつく漢方~竜骨 桂枝加竜骨牡蛎湯~」

皆さん、おはようございます。

今回は来年の干支「辰」にちなんで、竜の名前の付く漢方生薬:竜骨(りゅうこつ)と、その代表処方:桂枝加竜骨牡蛎湯(ケイシカリュウコツボレイトウ)を取り上げてみましょう。

 

竜骨は、鹿の仲間やサイの仲間、象の仲間、マンモスなど、古代大型哺乳動物の骨の化石を用います。

漢方原料生薬は植物性生薬が圧倒的に多いのですが、スッポンやマムシ、鹿の角など動物性生薬や、石・鉱物性生薬まであり、現在でも様々な漢方処方に組み合わせて使用します。

歴史的には、奈良の正倉院に「竜骨」「白竜骨(ハクリュウコツ)」と呼ばれる鹿の骨や歯、角の化石が献納されており、数年前の正倉院展に見に行きました。

江戸時代には瀬戸内海沿岸や海底からも産出したと云われています。

 

成分として、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムがメインですが、わずかですが各種ミネラルも含まれています。

 

竜骨の働きは、精神的な興奮により熱を生じている場合、相性の良い生薬と組み合わせて用い、不安、動悸、不眠、イライラなどの精神症状を鎮めます。

肝の機能亢進状態の改善(平肝)、精神を安定させる働き(安神)、鎮静の働き、などがあり、不眠、神経症、病的な寝汗、下痢、遺精(自然に精液が漏れる)に用います。(収斂作用)

 

精神的なストレスが多い時代、寝つきが悪い、夜中に何度か目が覚める、早朝に目が覚めそれから寝られない、よく寝たと云う感覚がない、漠然とした不安感、肝が高ぶりイライラするなど、現代には役立つことが多いでしょう。

竜骨が配合された漢方薬:桂枝加竜骨牡蛎湯(ケイシカリュウコツボレイトウ)をご紹介します。

海の牡蠣(オイスター)の貝殻をはじめ、ナツメの実:大棗(タイソウ)、薬用のシナモン:桂皮など7種類の生薬が配合されています。

風邪のひきはじめに用いる有名な漢方薬:葛根湯は、この桂枝加竜骨牡蛎湯から竜骨と牡蠣の貝殻(ボレイ)を除く代わりに、麻黄と葛根が配合されているので、広い意味ではこの2つは親戚になります。(桂枝湯ベース)

しかし使用目標は違ってきます。

 

葛根湯は風邪のひきはじめや、肩こり、頭痛に用いることが多いのですが、桂枝加竜骨牡蛎湯は、過労、体力を消耗して疲れを翌日に持ち越しやすい方、腹部にピクピクと動悸のある方、髪の毛が抜けてフケが出る、精神的に不安感に襲われるなどのイメージです。

この漢方薬は神経を落ち着かせる働き(安神作用)から、不眠症の方以外に、小児の夜泣き&おねしょ(寝小便)に用いられます。(小建中湯の方意)

 

皆さんの周りに、夜泣きやおねしょでお困りのお孫さんや、漠然とした不安感にお困りの方、寝つきが悪い、夜に何度か目が覚める方、よく夢をみる、明け方早くに目が覚める方、朝起きても「よく寝た!」と云う熟睡感のない方がいらっしゃいましたら、是非阪本漢方堂を教えてあげて下さいね。

 

阪本漢方堂は年末年始のお休みに入りました。

年始の営業開始は、四条新京極本店、西陣千本店ともに1月5日(金)から開始いたします。

 

本年も誠にありがとうございました。

 

ご縁を頂いた方々のお悩みが少しでも軽くなり、

心身ともに日々気持ちよくお過ごしになられるようなお手伝いを出来る薬局作りを、新年を迎えましても目指して参ります。

何卒よろしくお願い申し上げます。

 

相談の出来る薬局 阪本漢方堂

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