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「令和6年干支「辰」にちなんで「竜」の名前のつく漢方③

~竜眼肉 帰脾湯、加味帰脾湯~

皆さん、こんにちは。

今回h、今年の干支「辰」にちなんで、竜の名前の付く漢方生薬:竜眼肉(りゅうがんにく)と、

竜眼肉を用いる代表的な漢方薬を取り上げてみましょう。

 

竜(たつ)の眼(め)の肉と書きまして竜眼肉(りゅうがんにく)と呼ばれるムクロジ科のリュウガンの果実(果肉)を用います。

ライチの殻をむいたような乳白色の果肉で、果肉越しに黒い色の種があたかも竜の目玉に似て見えることが名前の由来になりました。

 

ごく希に京都のスーパーでも見かけます。

ライチより見た目は小さくツルリンとした殻で、ライチのようなゴツゴツした殻のイメージではありません。

ライチもムクロジ科の植物ですが、他にガラナやランブータンも同じムクロジ科の仲間です。

 

竜眼肉は甘味がありそのまま召し上がる方もありますし、お粥に入れる方や、薬膳料理(煮込み料理)の材料として使することもあります。

一晩酢につけて食べると果肉も柔らかくなり、程よい甘味で、私のおススメです。

また複数の薬草と一緒にホワイトリカーに漬けこむ薬用酒:楊貴美酒(ようきびしゅ)、養心酒(ようじんしゅ)としても用いられます。

 

この竜眼肉には、血の不足を補う働き(*1補血)があり、不眠や精神不安、

焦燥感、動悸などの症状を改善する働き(*2)があります。

 

 

血の不足が生じた状態とは「貧血」のようなイメージで、顔色が悪く、めまい、立ちくらみが起きやすくなります。

その他にも髪の毛の潤いが無くなり髪がパサつく、同様に肌が乾燥してきて痒みやフケが出やすくなる。

爪が薄くなり欠けたり割れたり、二枚爪になりやすい特徴を挙げられます。

 

女性の月のモノにも影響し、生理の経血はサラッとしていて量は少なめ、生理の日数も短くなる傾向に。

その他、漢方で考える血(けつ・ち)は精神面に働きかけるので、不安感や落ち込み、

不眠や物忘れなど症状が出ることがあり、生理期間中は更に悪化する傾向があります。

プレ更年期の方は特に注意しなければなりません。

 

漢方では、この血(けつ・ち)も、元気の素である「気」も、寝ている間に作ると考えています。

その日に消耗した血(けつ・ち)を補充する為にも、睡眠不足は厳禁です。

眼を酷使することも血の消耗につながります。長時間パソコン作業をしていると「目がかすむ」イメージです。

深夜遅くまでスマホやパソコン、テレビを見るのはお勧めしません。

竜眼肉は不眠、夢をよく見る、過剰な不安感、めまい、動悸、物忘れなどのタイプによく用います。(*3)

 

さてここで提案です。

手軽にブレンドして、本日紹介の竜眼肉ソイミルクティーはいかがでしょうか?

材料は、竜眼肉 2g、ローズ小さじ1、豆乳 120ml、水60ml

作り方は、最初に水に竜眼肉を入れ加熱し、沸騰してきたら弱火にして豆乳とローズを加え1~2分で出来上がりです。

お好みで濾してお飲みください。お花の香りと甘み、最後にライチのような味や食感が楽しめます。

 

次に、竜眼肉を用いる代表的な漢方薬:

帰脾湯(キヒトウ)加味帰脾湯(カミキヒトウ)をご紹介しましょう。

 

帰脾湯には、血を補う働きのセリ科の当帰や、鎮静作用のヒメハギ科の遠志(オンジ)、

クロウメモドキ科の酸棗仁(サンソウニン)など、12種類が配合されており、顔色が良くない貧血や不眠症の方に用います。

 

加味帰脾湯は、セリ科の柴胡(サイコ)とクチナシの実:山梔子(サンシシ)が更に加わり、

先の顔や手足の火照りを伴う方の貧血、不眠、精神不安、神経症の方へと使い分けをします。

 

皆さんの周りに、ハーブティーや薬膳茶、プチ薬膳料理に関心のある方や、髪の毛やお肌の乾燥、潤い不足による痒みやフケ、爪の症状、

目のかすみ、月経不順、めまい、立ちくらみ、不安感、落ち込み、不眠、物忘れなどプレ更年期など、お悩みの方がいらっしゃいましたら、

是非阪本漢方堂を教えてあげて下さいね。

 

相談の出来る薬局 阪本漢方堂

*1 補血(ほけつ) *2 安神(あんじん) *3 心血虚(しんけっきょ)

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