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桜皮 十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう) 華岡青洲

皆さん、こんにちは。

本日は桜の季節にちなんで「桜と漢方 桜の皮を用いた皮膚病の漢方薬:十味敗毒湯」をご紹介いたします。

皆さんは、もうお花見にお出掛けになられましたか?

KBS京都ラジオ放送局の近く、地元住民は御所と呼ぶ京都御苑の中、紅白の花を咲かせる梅林園から少し南側にある「出水の枝垂れ桜」が、私のお気に入りです。

また枝垂れ桜が終わった頃に咲く里桜(サトザクラ)も見応えがあり、お気に入りです。

ところで桜は何科の植物になるのか、皆さんご存知ですか?

答えは苺やアンズ、梅、桃、枇杷、梨、リンゴ、それにアーモンド等と同じバラ科になります。

花粉症やアレルギー性鼻炎に用いる薬草茶甜茶(てんちゃ)も同じバラ科になります。

 

桜は果実をサクランボ、葉っぱを桜餅として、私達の食生活を豊かにしてくれます。

桜の葉に含まれるある成分(*1)が分解されることで、桜餅特有の香りになるのです。

またサクランボには疲労回復に役立つクエン酸が含まれており、カルシウムや鉄分の吸収を良くしてくれます。

また梅酒のように、サクランボの果実酒を作ってみられるのも、楽しいですね。

 

さて漢方でも桜を用いるのですが、使用する場所は木の皮・樹皮で、生薬名を桜皮(おうひ)と云います。

 

江戸時代には咳止めや、熱を冷ましたり、蕁麻疹などの炎症を抑えたり、排膿・解毒の働きで用いられていました。

この桜の皮が配合された漢方薬が、本日ご紹介する十味敗毒湯です。

 

この処方を編み出したのは、有吉佐和子さんの小説「華岡青洲の妻」で世間に知れ渡った華岡青洲(はなおかせいしゅう)です。

医療業界では「欧米より数十年前、世界で初めて全身麻酔を用いて外科手術をしたのは、日本の華岡青洲だったこと」の方が有名なのです。

 

この十味敗毒湯には名前の通り10種類の生薬が配合されています

本日紹介の桜の皮:桜皮の他に、桔梗の根やセリ科の川?(センキュウ)や柴胡(さいこ)、サルノコシカケ科の茯苓(ぶくりょう)など、9種類の生薬が配合されております。

蕁麻疹や急性湿疹、化膿性の皮膚病、水虫でお悩みの方に役立ちます。

 

皮膚病も大きく分けるとカサカサ乾燥タイプ、ジュクジュクタイプ、両方が混ざったタイプに分かれます。

つまり冬場悪化しやすいタイプや、夏場に悪化しやすいタイプなどあるのです。

湿疹の方やアトピー性皮膚炎・蕁麻疹の方に何が辛いかをお聞きしますと、

「患部の赤みや火照り感、カサカサ・ジュクジュクも気になるが、一番つらいのは痒みだ!痒いとイライラしてくる!」とおっしゃいます。

 

阪本漢方堂では、その方お一人お一人の症状や体質を詳しく伺い、どの薬草・生薬の組み合わせが良いかを考え、その方に合った漢方を調合し飲んで頂き、体の内側からの改善をおすすめします。

また体の外側からの提案としては、漢方の塗り薬や漢方入浴剤にて、少しでも早く痒みや赤み・火照り感などの症状が良くなるよう提案しています。

皆さんの周りに、もし蕁麻疹や湿疹、それにアトピーなどの皮膚病でお悩みの方がいらっしゃいましたら、是非阪本漢方堂を教えてあげて下さいね。

相談の出来る薬局 阪本漢方堂

*1 クマリン配糖体

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