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2017/03/05 放送
私事ですが、録画してまで見る番組の一つに日曜夜8時NHK大河ドラマがあります。
先週2月26日放送の第8話「赤ちゃんはまだか」、ラジオをお聞きの皆さんはみられましたか?
柴咲コウさん演じる次郎法師さまが、子を授かるように妙薬を高橋一さん生演じる政次に、買い求めさせたシーンがございました。
そこに登場する妙薬なるものが、普段私が接する漢方生薬だったので、皆さんにお伝えせねばと思い、本日の話題にしました。
登場したのは植物由来の生薬が3つ、せり科の当帰(とうき)・川芎(せんきゅう)、メギ科の淫羊霍(いんようかく)、動物由来の生薬が1つ、麝香(じゃこう)がドラマにでました。
麝香は、チベットやヒマラヤ・中国東北部に生息するシカ科のジャコウジカの雄のジャコウ腺分泌物を用います。そのままの香りは動物臭で決して良い香りには思えないのですが、薄めると高級な香水の原料に使用される位の良い香りを放ちます。
この香りの主成分はムスコンと呼ばれ、心臓の働きを高めることや、性ホルモン作用などが報告されており、漢方では血の流れの停滞しているところを巡らせる、意識をシャンとはっきりさせる、分娩を促進する働きがあるとされています。
市販薬では敬震丹(けいしんたん)と云う漢方薬に配合されており、香りのよい生薬の組み合わせから作られており、ストレスからくる諸症状のなかでも動悸や息切れ、お腹の症状として食欲が出ない・消化不良・胃腸の弱い方に、おすすめです。
次に植物性に変わりまして、淫羊霍(いんようかく)です。
こちらはメギ科の多年草イカリソウを用います。別名として仙霊脾(せんれいひ)放杖草(ほうじょうそう)とも呼ばれています。生殖機能の低下、加齢に伴う足腰関節の痛みに、用いられます。阪本漢方堂で扱っているホザキノイカリソウは、お茶のように煮出したり、ホワイトリカーに漬け込んで薬酒したりする乾燥タイプから、簡単に飲むことが出来る粉末タイプが有ります。
夜の元気をつける目的で買い求めに今も来られます。
他にドリンクタイプとして配合されているのがマムシホルモAです。当薬局が得意とするマムシの他に鹿茸(ろくじょう)と呼ばれる鹿の角や、ヒルガオ科の(としし)が配合された1本50ml 2160円(税込)が有ります。
最後に2種類とも同じセリ科の植物の仲間の当帰(とうき)と川芎(せんきゅう)をご紹介しましょう。
この薬草・生薬は共に私達の身体を温め、血を巡らせる働きが有る点は共通しています。そして相性の良いこの2つを組み合わせることで、経絡と云って筋肉や関節や骨などをより温める&手足末端の血液を巡らせる働きが高まることから、冷え症・霜焼けや冷えることで悪化する痛み、例えば腰痛、お腹の痛み、坐骨神経痛、脊柱管狭窄症、生理痛などに、この2つを中心に他の生薬との組み合わせを考えます。
お昼ご飯を食べによく行くお店で、そこで働いている女性の方から、「私手足がとても冷えるのです」「妊活している友人も生理不順です」など「何か良い漢方薬ありますか?」と聞かれるとついこの2つの組み合わせが合うかを考えてしまします。
具体的に1つ、当帰養血精(とうきようけつせい)をご紹介しましょう。
こちらはセリ科の当帰・川芎以外に、ボタン科の芍薬、サルノコシカケ科の茯苓(ぶくりょう)など9種類の生薬が配合された液体・シロップ状です。
次のような症状でお悩みの方にお勧めです。
男性・女性問わず更年期障害による症状でお悩みの方、冷え症・生理痛・生理不順・貧血でお悩みの方、頭痛・肩こり・腰痛・腹痛でお悩みの方、めまい・耳鳴りでお悩みの方にお勧め出来ます。
飲み方は1日朝夕の2回、300ml約35日分です。
ラジオをお聞きの皆さんの周りに、お悩みの方がいらっしゃいましたら教えてあげて下さいね。
阪本漢方堂
参考:漢方治療44の鉄則 P94