めまい

目次

1:めまいと平衡感覚

平衡感覚をコントロールする、ということは、揺れ・回転を感じながら、視線を調整するということです。
揺れや回転を感じるセンサーは左右の耳の中にある 三半規管(サンハンキカン)と前庭平衡班(ゼンテイヘイコウハン)です。
平衡感覚をコントロールするコンピューターが小脳と橋(キョウ)です。
センサーとコンピューターをつなげるコードのメインは前庭神経です。
頭の揺れを感知して、視線のずれを予測して目を反対側に振り視線をずらさないようにする動作を眼振(ガンシン)といいます。
このような平衡感覚のシステムのどこかが、もしくは全部が壊れた状態でめまいは起こります。
また、自律神経のバランスやホルモンのバランスの崩れから生じるめまいや貧血や低血糖や不整脈など血流の異常からおこる症状もめまいととらえることもあります。

2:めまいのタイプ

【回転性めまい】
ぐるぐる回転するめまい。
良性発作性頭位性めまい・メニエール病・・急性中耳炎・突発性難聴など

【良性発作性頭位性めまい】
メニエール病・・急性中耳炎・突発性難聴など

【浮動性めまい】
ふわふわするめまい。
小脳や橋の腫瘍・変性・炎症、薬剤性の中枢障害などでおこる。

【前失神】
目の前が真っ暗になる。
起立性低血圧、脱水・不整脈などによる一過性脳虚血発作、低血糖など

3:漢方とめまい

漢方では「気(キ)・血(ケツ)・水(スイ)」を考えるなか、これらの巡りが悪くなっていないか?と云う点からも考えます。
つまり元気の素の「気」が不足していていないか?
血(チ)の巡りや血液以外の体液・水(ミズ)の巡りが悪くなっていないか?を考えます。

4:めまいにおススメの漢方

オモダカ科のサジオモダカの塊茎(カイケイ)である「沢瀉(タクシャ)」と、キク科のオケラの根茎の「白朮(ビャクジュツ)」を用います。(=沢瀉湯タクシャトウ)
これらの薬草は水分の代謝をよくしてくれます。めまいは私たち身体の中の水はけを良くすることで改善する場合が多いのです。

当帰養血精(トウキヨウケツセイ)

更年期障害によって起こる眩暈(めまい)、血流不足からくる眩暈(めまい)に用います。 ウコギ科の黄耆(オウギ)や芍薬の根など9種類の生薬から作られています。 女性だけでなく、最近増加傾向にある男性の更年期障害による眩暈をはじめ、頭痛・ 肩こり・貧血・腰痛・腹痛・のぼせ・耳鳴り・冷え症に効きます。 飲みやすいシロップタイプで、冷え症の方にはお湯で割って飲んでもらう方法がおすすめです。

苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)

この漢方薬には先にご紹介したキク科のオケラの白朮(ビャクジュツ)に、サルノコシカケ科の茯苓(ブクリョウ)、薬用のシナモン、マメ科の甘草(カンゾウ)の4種類から作られています。 フワフワ感の眩暈だけでなく回転性の眩暈や、立ちくらみにもおすすめです。 他に胃の元気が低下して、水分を処理しきれなくなりお腹・胃に水が溜まってしまっている状態、人によってはお腹・胃がチャプチャプ云う場合に用いたり、胃下垂の方にも用います。 飲みやすい顆粒タイプと本格的な煎じるタイプがございます。

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