冷え症

目次

1:冷え症とは

そもそも「冷え症」と云う病名は西洋医学にはなく、はっきりとした病名ではないため、なかなか十分な対応が難しく、また直接命に関わらないので、軽く捉えがちです。しかし、「冷えは万病のもと」というように、放置すると手足や腰の冷え、霜焼けなどの症状だけでなく、代謝が悪くなり、頻尿や痛みなど体の不調の原因となり、病気を引き起こすことにつながります。
最近はクールビズの広がりでや環境保全から冷房の設定温度を高めにしているご家庭や職場が増えています。しかし、他の人と体感温度が違って、家庭や職場では自分の快適な温度に設定することが出来ずストレスを感じ続けなくてはならない苦痛もあります。

このようにご本人が冷え症という自覚がある方だけでなく、自覚がない方でも他の症状や体質、夜寝るときに靴下をはいているなど日常生活の状況をお聞きしていくことにより、冷え症と判断し、配合する漢方薬には温性の生薬が入ることもあります。

2:冷え症の原因

体を温め、血流を良くし、代謝も良くし、内臓の働きを正常に高めてあげることが大切です。

原因として普段の生活の中で、意識せぬ間に体を冷やす食べ物を摂る習慣がついている場合や湯船につからずシャワーですます場合などあります。例えば夏が旬の果物や野菜、熱帯・亜熱帯地域など海外から輸入された果物(例えばバナナ・キウイ・グレープフルーツ)などは体を冷やす性質があります。

下半身を冷やすようなファッションや、運動不足による筋肉量の低下、職場環境なども原因となります。

その他に夏場の冷房病、月経や更年期障害によるホルモンバランスの乱れ、ストレスや過度の緊張が続くことから自律神経のバランスが乱れ、血液循環を調整する働きが低下し、末梢の血管の血液量が減ることも冷えの原因と考えられます。

3:冷えの3タイプ

<熱生産不足タイプ><循環不良タイプ><熱が逃げやすいタイプ>の三つです。

<熱生産不足タイプ>

基礎代謝の低下、運動不足、筋肉量の不足、食事摂取量の不足、消化吸収能力の低下などにより、体の中で十分な熱を作ることが出来ずに冷えている状態。

<循環不良タイプ>

血液循環の滞り、血流量の低下、皮膚血管の収縮反応過敏、脳の体温調節障害などにより

熱の配分の滞りや、バランスの乱れから冷えている状態。

<熱が逃げやすいタイプ>

発汗が多すぎる、ストレス性発汗、皮下脂肪不足、皮膚血管の収縮反応過敏、皮膚の露出が多すぎるなどにより、熱が過剰に体から逃げてしまい体内の熱まで奪われ冷えている状態。

どれか1つのタイプではなく、複合型タイプも多いです。

4:冷え改善のおススメ漢方生薬

高麗人参・朝鮮人参

普段スーパーで売っているニンジンはセリ科対し、漢方で用いるのはウコギ科の人参になります。 古くから漢方では、命を養う働き不老長寿の薬に分類分けされており、根のところが人の形をしているように見えるので人参と呼ばれるようになりました。呼び名は高麗人参の他に薬用ニンジン、御種人参(オタネニンジン)とも呼ばれています。 この御種人参の云われは、江戸時代に人参の栽培が成功し、その人参の種を各藩に分け与えられたことから御種(おんたね)から、御種人参(オタネニンジン)と呼ばれるようになりました。 体を温める働き、弱った胃腸の働きを強め、元気の素を補い、疲労や病中・病後の体力の低下時に用います。  冬場冷えた体を温めてくれたり、活力・元気をつけてくれたりする高麗人参ですが、阪本漢方堂では煮出して飲める乾燥した姿・原型タイプ、乾燥した髭根だけを集めたタイプ、そして焼酎・ホワイトリカーに漬ける薬酒用の生タイプ。粉末ではそのままかオブラートに包んで飲む100%混じり気なしの粉タイプ、他に加工した飲み易い錠剤タイプ、サラサラした顆粒タイプ、ドロッとした濃縮茶タイプなど色々な種類を取り扱っています。

<高麗人参配合のおススメ商品>

薬酒・薬膳料理用高麗人参

生の高麗人参(アルコール処理済)です。ホワイトリカーやブランデーに漬けて(薬酒)高麗人参酒としたり、ハチミツ漬けにしたり、薄くスライスにして天ぷらにしたり、参鶏湯の材料として用いられます。

活寿(かつじゅ)

高麗人参と牛黄(ゴオウ)の配合された液体ドリンク活寿(かつじゅ)、
お湯割にして飲む方法がおすすめです。

<当帰・トウキ>
セリ科の多年草です。
皆さんは、お野菜の中でもセリ科の野菜はどのようなものを思い浮かべられますか?
セリ科だから名前が近いセリ?セロリ?パセリ?
ニンジンも同じセリ科の野菜になります。これらはセリ科独特の葉の形をしています。
この当帰の葉も同じような葉の形をしています。

ちなみに当帰とセロリの香りが似ているので、現在では当帰の葉を使用したイタリア料理店があるくらいなのです。パスタやデザートのアイスクリームに練り込んで香りを楽しめるそうです。それくらい注目されている生薬なのです。

ただし漢方薬で用いるのは根っこのところで、働きは身体を温め、血を補い、血の巡りを良くし、痛みを止めてくれます。

<当帰配合のおススメ商品>

天恵実母散(てんけいじつぼさん)

お紅茶のように熱い湯を注いで飲むティーパックタイプ

当帰養血精(とうきようけつせい)

女性・男性を問わず、煎じなくても簡単に飲むことが出来るシロップタイプ

<マタタビ・木天蓼(もくてんりょう)>

「マタタビって、猫にマタタビでしょ!?」と思われるかもしれませんね。猫の万病薬としてだけでなく、私達人間にも役だってくれます。
マタタビの虫こぶを用います。生薬名を木天蓼(もくてんりょう)と云います。入浴剤として用いる他に、ホワイトリカーに漬けてマタタビ酒として、お茶のように煎じて用います。冷え症の方の体を温める働きの他に、胃薬として、また腰痛・神経痛に用います

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